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新型インフルエンザで重症者や死者が多い理由を図解する
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1918年の新型インフルエンザウイルス罹患患者の収容の様子…こんなことにはならないのでご安心ください

厚生労働省:新型インフルエンザ対策関連情報
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html

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【番外】都道府県別ブログ閲覧数 

お気づきの方もいると思いますが、ブログの右側カラムに、

都道府県別ブログ閲覧数

を先週から掲載し始めました。
ジオターゲティングというフリーソフトです。

 それによると、ほぼ人口割合で閲覧数は並んでいる(東京、大阪、神奈川)のですが、岡山県の閲覧数が多く、興味を抱いている方が多いことが分かります。

 過去1週間の閲覧数も棒グラフで掲載されており、土日の閲覧数が極端に少ないことから、仕事上でこのブログが多く閲覧されていることが推測できます。

 四国の方の閲覧数がほとんどないのが特徴的です。このブログだけがただ単に閲覧されていないだけなのか、それとも四国の新型インフルエンザ対策がかなり遅れているのかが気になるところです。

 
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[ 2008/08/31 00:00 ] ブログ・遊びの要素 | TB(0) | CM(0)

5分で送信!ビジネスメール速書き文例集 



 行政医師の仕事をするようになって、職場内外とやり取りをすることが増えました。病院の院長など、医療関係者だけではなく、役所、会社など、さまざまな方と電子メールでやりとりをする必要があります。英語でのメールも時々必要で、読むことはできても、書くことには苦労していました。このように、メール作成には慣れないことも多く、わかりやすく、簡潔で、失礼のない文書やメールを作成するには、かなりの時間と労力がかかっていました。

 そこで先日「5分で送信!ビジネスメール速書き文例集(すばる舎)」という本を購入し、ビジネスメールの書き方について学ぶことにしました。

 この本によると、ビジネスメールには「型」があるそうです。例えば「あいさつ、要件、詳細(記〜以上)」という基本構成を取り入れるだけでも、メール作成がずっと速くなりました。場面にふさわしい表現や言い換え例なども紹介されており、言い回しに悩むことも少なくなりました。

 メールは業務に欠かせないツールですが、処理に時間をかけすぎていては、本来の仕事が進まないこともあります。新型インフルエンザ対策のために限られた時間を有効に活用するためにも、正確で、わかりやすいメールを、短時間で書くことを心がけたいです。


[ 2008/08/30 00:00 ] その他 | TB(0) | CM(0)

裕福地方自治体の浦安市が新型インフルエンザ対策感染防止機材を独自調達 

 千葉県浦安市(松崎秀樹市長・人口約16万人)は2008年8月25日、新型インフルエンザに対する部局横断の「タスクフォース」(プロジェクトチーム)を編成し、消防や介護施設などで使う感染防止機器などの購入など独自の対策を進めると発表しました。

 浦安市は東京ディズニーリゾートを抱えているため、非常に財政状態が裕福な自治体です。2002年から、東京ディズニーランドのショーベースで成人式を開催していることは有名です。こんな贅沢な成人式は裕福な自治体でないと絶対にできません。

 国内外の観光客の出入りが多く、「日本で最初の発生地となる可能性もある」として独自策を検討し、7月に危機管理監を中心とした数人のタスクフォースを編成し、応急対処計画を策定しました。

 計画では大流行した場合、市の人口約16万人のうち罹患者数は4万人と算定。そのうち2%に当たる800人が死亡すると推計しています。

 対策として、今年度当初予算に310万円を計上し、救急隊員や医療従事者の安全確保のために、国推奨のマスク3万5000枚、手袋5万枚、ガウン1000枚などを既に購入しました。

 さらに補正予算1631万円で、介護施設向けのマスク10万枚、救急隊員用の感染防止セット2560組の購入を予定。市民への啓発パンフレットの配布準備なども進めています。

 格差社会はこんなところにも如実に表れています。

 
[ 2008/08/29 00:00 ] 行政の会議・計画 | TB(0) | CM(0)

googleストリートビューで国立感染症研究所を確認 

 googleストリートビュー というサービスが始まりました。

 個人情報保護という観点から、異論を唱える方もいますが、私は素直にこのサービスを楽しみたいと思います。少なくとも、行ったことのない場所に行く際に、あらかじめ調べることができるなど、かなり画期的なシステムだと思います。

 早速、新宿区にある国立感染症研究所を、googleストリートビューでのぞいてみました。


大きな地図で見る

とてもきれいな建物ですね。ぜひ、googleストリートビューで、新型インフルエンザ関連施設を調べてみてください。

[ 2008/08/28 00:00 ] ブログ・遊びの要素 | TB(0) | CM(0)

発熱外来の待合室の動線をイメージする 

 発熱外来の待合室を想定する際、

待合室で飛沫感染である新型インフルエンザを感染しあうことを避ける

 必要があります。そのためには、来院した患者全員に、マスクを着用(一般的なマスクでよく、N95マスクである必要はない)させることで、飛沫感染を予防することが可能ですが、マスクを突発的に外したりする患者がいるかもしれないし、鼻をかむかもしれないので、ひとりひとりの患者の間隔を、1~2m間隔(厚生労働省の鳥インフルエンザ要観察例の要件より)にすることがよいかもしれません。その方法を考えてみました。
発熱外来待合

 19人目以降も同様の流れです。机上の空論という仮定なら、このアニメーションのような動線であれば、患者同士が2メートル以内に接触しないので、待合室での感染拡大は未然に防げるはずです。しかし、これを実行するためには、とても広い待合室のスペースが必要になります。

 また、具体的に考えれば、
同伴した家族はこの待合室にいてもいいのか?子供は?
座ることができないような重症患者は?
待合室で準備した以上の患者が押し寄せた場合、患者をどこに待たせるのか?

など、この方式では解決できないことが非常に多いです。

 厚生労働省は発熱外来を推奨していますが、世界保健機関(WHO)の尾身茂・西太平洋地域事務局長は、新型インフル患者が国内で発生した時は患者や感染が疑われる人を自宅待機させ、在宅医療で対応すべきだとの認識を示しています。

 発熱外来そのものの存在を否定するのは簡単ですが、それを実行するのであれば、待合室はどうするのがよいのか、悩ましいところです。 

[ 2008/08/27 00:00 ] 発熱外来 | TB(0) | CM(0)

新型インフルエンザが日本で発生しないような対策 

 日本では、新型インフルエンザの発生は日本以外の国(東南アジア?)で初発し、その後日本に患者(感染者)が移動して来て、感染爆発が起こると想定していますし、私自身もそう思っています。しかし、可能性としては、日本でトリインフルエンザウイルスと通常のインフルエンザウイルスが融合し、新型インフルエンザウイルスが発生して、日本発新型インフルエンザ感染爆発ということもないとは言い切れません。

 現に、平成19年1月13日に宮崎県の養鶏場で鳥インフルエンザが発生しました。あくまで鶏が死亡しただけで、ヒトの発病者はいなかったのは幸いです。

 現在日本では、「高病原性鳥インフルエンザに係る今後の監視体制について」(平成17年10月14日付け農林水産省消費・安全局長通知)に基づき、日本国内全域における1000羽以上の採卵鶏飼養農場を対象に、1年に1回、血清抗体検査等を行っています。
 また、家畜伝染病予防法第52条の規定により実施している、1000羽以上の鶏・あひる・うずら・七面鳥飼養農場を対象に、農場における飼養羽数・死亡羽数についての報告が、平成19年1月から毎月から毎週に変わり行われています。

 ここで、心配な人はこう思うでしょう。
「1000羽未満の養鶏場は大丈夫?」
「1年に1回で大丈夫?」
「鶏・あひる・うずら・七面鳥以外のトリ(例えば鴨、すずめなど)は検査しなくていいの?」


 自治体によっては、1000羽未満の養鶏場でも検査を行うなど、対策が行われています。

 それでも指摘の通り、低い可能性まで考えれば、上の心配はもっともです。しかし、全ての対策には「費用対効果」が求められます。 インフルエンザウイルス 抗体検査にはお金がかかります。そのお金は税金でまかなうしかありません。

 新型インフルエンザ対策を行うことは、健康危機管理対策という目に見えないものと、例えば「年金問題」「ガソリン税暫定税率問題」など、とても目に見える問題とのバランス感覚がよい人でないと、なかなかできないものだと思います。

[ 2008/08/26 00:00 ] 鳥インフルエンザ | TB(0) | CM(0)

平成21年度新型インフルエンザ対策予算は598億円 

 厚生労働省は2008年8月22日、新型インフルエンザ対策を推進するため、来年度予算の概算要求に、タミフルなど治療薬の備蓄増強やワクチンの研究開発費など計598億円を盛り込む方針を決めました。

 本年度の関係予算は63億円で、要求額はほぼ10倍増と大幅な増加です。

 与党プロジェクトチーム(座長・川崎二郎元厚生労働相)が今年の6月に、治療薬の備蓄倍増など対策強化を求める提言をまとめており、それに沿った要求となっています。

 内訳は、治療薬とワクチンの研究開発推進に482億円、医療機関への人工呼吸器整備など地域医療対策に48億円、水際対策を担う検疫所で発熱者の発見や検査などに使う機器整備に4億6000万円となっています。

 治療薬の備蓄量は現在、人口の23%分程度で、40~50%分に引き上げることを目指しているようです。ワクチンの研究開発では、従来の鶏卵を用いる製造法では新型が発生してから全国民分の製造までに約1年半かかるので、これを半年に短縮するため、細胞培養技術を用いたワクチン製造の研究を進めとのことです。

 せっかく効果のあることが分かっているワクチンが存在しても、それが有用に供給されていないのが日本という国の摩訶不思議なワクチン事情です。Hibワクチンや、肺炎球菌ワクチン、ヒトパピローマウイルスワクチンが、予防接種法に基づく予防接種に認められたら、公衆衛生的に救えるはずの命を多く救える可能性があると考えられますが、その検討を始めることもなく、細胞培養技術を用いたワクチン製造技術開発に投資するのは、ワクチン行政全体を考えれば矛盾しているように思えます。
[ 2008/08/25 00:00 ] 厚生労働省 | TB(0) | CM(0)

発熱外来とは?その1 

もし新型インフルエンザが発生して、みなさんがいわゆる風邪症状や高熱が出たらどうしますか? 病院に行くのが普通ですよね。
でも、新型インフルエンザが発生しているときに、みなさんが風邪症状や熱はないけど、
「定期的な高血圧の薬をもらいに行きたい」とか、
「喘息の薬をもらいに行きたい」というとき、どうしますか?新型インフルエンザ患者がいるかもしれない病院・診療所に行きますか?迷いますよね。

それを解決するための概念が「発熱外来」です。

その定義は厚生労働省のHPに掲載されています。
(2)発症者の家庭における留意事項
発熱・咳・全身痛など通常のインフルエンザと思われる症状がある場合、事前連絡なく近医を受診すると、万が一新型インフルエンザであった場合、待合室等で他の患者さんに感染させてしまう「二次感染」のおそれがあります。その場合はまず、保健所等(発熱相談センター)に連絡し、都道府県等が指定する医療機関など(発熱外来など)を受診して下さい。都道府県や、市町村、保健所から、情報が提供されますので、随時チェックをするようにしてください。

*発熱相談センター:
発熱を有する患者さんからの相談を受ける施設。都道府県・保健所を設置する市又は特別区が保健所等に設置する。

*発熱外来:
発熱を訴える患者さんに対し、直接通常の外来を受診するのではなく、他の症状の患者さんから隔離した場所で外来診察を行うシステム。新型インフルエンザ感染・発症を否定されれば通常の外来での診察になり、新型インフルエンザであれば感染症指定医療機関等に入院措置等が取られる。

特に自分自身が発熱・咳・のどの痛みなどの「かぜ症状」を呈した場合には、その症状が新型か否かにかかわらず、インフルエンザによるものか否か、またインフルエンザであってもどの型であるかは、検査をしなければ分かりません。したがって、上に挙げたような医療機関を受診する必要がありますが、医療機関を受診するときはもちろん、外出時、家庭内でも、咳をする際には「咳エチケット」に十分注意をして、周囲に感染させないように心がけることも必要となります。
この「発熱外来」の構想をWHOの尾身茂・西太平洋地域事務局長は暗に否定して、在宅医療を勧めたということなのです。
「発熱外来」は新型インフルエンザ対策のキーワードの一つなので、今後詳しく説明して行きましょう。

[ 2008/08/24 00:00 ] 発熱外来 | TB(0) | CM(0)

パブリックコメントとは? 

 国・都道府県・市区町村が新型インフルエンザ対策行動計画を決定する際に、必ずパブリックコメントを求める手続きを踏んでいると思います。

 パブリックコメントとは、直訳すれば国民・住民・市民など「公衆の意見」です。特に「パブリックコメント手続」における意見公募に対し寄せられた意見を指します。日本では、意見公募の手続そのものを指す言葉としても用いられ、「パブコメ」と略されることも多いです。

 パブリックコメント手続とは、行政が政策、制度等を決定する際に、公衆(国民、都道府県民、市区町村民など)の意見を聞いて、それを考慮しながら最終決定を行う仕組みのことです。

 その目的としては、大きく次の2点があるとされます。

1.行政の意思決定過程の公正を確保し、透明性の向上を図ること。
2.国民・事業者等(外国も含む)の多様な意見・情報を把握するとともに、それらを考慮して意思決定を行うこと。
 この手続に関して留意すべき点のひとつが、同手続は、公示される案への賛否を投票するようなものではないことである。つまり、たとえ、同様の内容で多数の意見提出がなされたとしても、その数の多さ自体が、行政の意思決定における考慮要素になるとは限らなりませんし、例えひとつの意見提出しかなくても、その意見の内容自体が、行政の意思決定における考慮要素にならないとは限らないのです。

 このパブリックコメント募集については、地方自治体なら広報誌に掲載されていますし、ホームページでも告知されていますが、ほとんどの国民はその手続きすら知らずに過ごしているでしょう。

 参考までに、国のパブリックコメントのホームページを紹介しておきます。
パブリックコメント・意見募集案内(「電子政府の総合窓口」へリンク)
パブリックコメント・結果公表案件(「電子政府の総合窓口」へリンク)

 パブリックコメントは簡単に言えば 「行政が勝手に決めちゃダメ。国民や関連団体・企業の声も聞きましょう。」 という手続きです。基本的には規制緩和や撤廃のために用意されたしくみで、行政機関による規制をできるだけ少なくすることを目的としています。
 ただしパブリックコメントを実施するための法律はなく、平成11年の閣議決定によって行政府や地方自治体が実施しています。法律がないこともあって、パブリックコメントにはグレーな部分もあります。たとえばパブリックコメントを集めた後の意思決定には制約がありません。「参考になる意見がなかった。」として、何の変更もなしに通ることもあるわけです。

 ですのでパブリックコメントは多数決ではありません。あくまで意見を聞いて、それに対する行政機関の考え方を公表し、最終的な意思決定の参考にするというものです。パブリックコメントの結果を見てみるとわかりますが、寄せられたコメントに対して、行政機関が返答する形で公表される場合が多くなっています。
 それでは反対意見があったとしても無意味では?と思うかもしれませんが、決して無力ではありません。反対意見なり修正点なりのコメントが多く寄せられれば、その結果は件数も含めて公開されます。
 それだけの問題点があるのに、修正しないまま通すわけには行きませんから、何らかの変更を余儀なくされるでしょう。実際にパブリックコメントによって変更になった事例もあります。

 参考までに、 「新型インフルエンザに関するガイドライン(フェーズ4以降)(案)」に対する意見募集の結果について医療部門を紹介しておきます。

 意見をきちんと出すことが重要で、手をこまねいて見ていては何も変わりません。ぜひとも皆さんの意見を、国及び自治体にぶつけてください。

[ 2008/08/23 00:00 ] 行政の会議・計画 | TB(0) | CM(1)

京都府の新型インフルエンザ対策は大丈夫? 

新型インフル発生想定、感染防げ 京田辺の病院 医師ら訓練

 新型インフルエンザ発生を想定した訓練が2008年8月1日、京都府京田辺市田辺中央の田辺中央病院で行われた。同病院の医師や看護師、山城北保健所職員ら約30人が参加し、感染防止対策や連絡体制などを確認した。

 訓練は「38度の高熱とせきを訴える患者が診察に訪れた」という設定で実施した。新型インフルエンザを想定した訓練は、府内の民間医療機関で初めてという。

 医師らは、受付を訪れた患者役の男性職員から症状などを聞き、救急事務室に隔離した後、防護服やマスク、手袋を着け、保健所へ電話連絡した。

 その後、医師や看護師、同保健所職員を交えて、訓練の講評や意見交換を行った。同保健所の岡嶋修司次長は「患者から他者への感染防止が重要になる。民間病院でも受診体制などを点検してほしい」と話している。
(2008年8月2日京都新聞より引用・一部改変)
 山城北保健所は、京都府の保健所のひとつです。京都府は、独立した保健所はすでに存在せず、山城広域振興局健康福祉部の組織のひとつに過ぎません。2008年4月1日現在の保健所長は和田行雄先生ですが、全国保健所長会の公衆衛生医師からのメッセージに、和田行雄先生は以下のようなびっくりする紹介文を堂々と掲載しています。

http://www.phcd.jp/topics/koushueisei_isi/kyoto_wada.html

京都府山城北保健所 和田行雄所長より

主なご自身の経歴
1973年 京都府立医科大学 卒業
同年  同大学第二外科入局
1993年 同 助教授
2000年 京都府田辺保健所所長
2004年 京都府山城北保健所所長
60歳


  公衆衛生医師になった理由
    特に公衆衛生に興味をもったわけではないが、大学の臨床医(心臓血管外科)として限界を感じたため、将来的に医師としてやれることを探索中に人事上で保健所長の席の依頼を受けた。

公衆衛生医師を目指す方へのメッセージ
    京都府の保健所長を含む行政の医師の採用は特殊で、京都府立医科大学内の医療センターに委ねられ、京都府行政の医師は、すべて京都府立医科大学の教官と併任になっている。したがって、一般公募などなしで、常に大学の人事で動いている。待遇は大学に準じる。
--------------------------------------------------------------------------------
平成19年9月17日掲載

 この内容は事実なのでしょうが、京都府民が知ったら抗議してもおかしくない内容だと思います。要するに、特に公衆衛生に興味をもったわけではない人が、医局人事でただ保健所長のポストにいるだけだということです。

 保健所長は公衆衛生の専門家としての立場で、新型インフルエンザ対策(だけでなく、あらゆる保健所業務)を引っ張っていく必要があり、だからこそ京都府民の税金からこれらの医師の給与が支払われているのです。

 でも、残念ながら京都府の保健所長は「常に大学の人事で動いている」ので、まったく当てになりません。京都府民は不幸です。その結果が、2008年8月1日の訓練内容です。こんな訓練を今年に行っている京都府はいったい何を考えているのでしょうか?大丈夫でしょうか?しかし、 「京都府の保健所長を含む行政の医師の採用は特殊で、京都府立医科大学内の医療センターに委ねられ、京都府行政の医師は、すべて京都府立医科大学の教官と併任になっている。したがって、一般公募などなしで、常に大学の人事で動いている」 現状を変えることはできず、京都府民はその事実を受け止めるしかなさそうです。

 タイトルの回答ですが、「京都府行政の医師は、すべて京都府立医科大学の天下りポストで、公衆衛生の専門家ではないので、京都府の新型インフルエンザ対策は公衆衛生対策という観点からは不安である」といたします。
[ 2008/08/22 00:00 ] 訓練フェーズ4B | TB(0) | CM(0)

未知の感染症患者転院搬送依頼の場合の対応 

ある私立病院から転院搬送依頼がありました。
内容
・20代の男性。
・一週間前から発熱が続いている。
・一週間前までカンボジアに行っていた。
・感染症の疑いがあるため感染症の専門医がいる病院へ転院。


以上の内容で依頼がありました。

多少省略させていただきましたが、この内容ならどのような対応すべきと考えられますか
また、感染症疑いの傷病者搬送の場合、どのような対応をされてますか
多くの方からのご意見いただきたく思います。
ご教授よろしくお願いします。
以上のような質問が、mixiでありました。

それに対して、

私の消防では、隊員は95マスクをつけて、患者さんにはサージカルマスクをつけて貰うようにしてます。

うちの署では、隊員は当たり前ですが患者さんにもN95付けてもらってます。もちろん酸素投与が必要なら無理ですが

症状が何かという問題もありますね。呼吸器だけでなく接触感染も考えたほうがいいかもしれません。
普通にスタンダードプレコーションでいいんじゃないでしょうか。マスク、ガウン、手袋、靴カバーなどなど。シャワーにうがい手洗い?
って、ちょっとまじめに調べてみます。


などと、日本各地の消防署員の皆様は回答していました。

http://newinfluenza.blog62.fc2.com/blog-entry-129.html

以上で示したように、少なくとも疑い患者を搬送する救急隊員は、「マスク、手袋、ガウン、ゴーグル」で十分だという結論になりました。もちろん搬送もラッサ車などは使用せず、通常の車(救急車)で構いません。

救急隊がラッサ車を必要としない理由は、封じ込め期の陽性確率的中率も関係あります。すなわち、封じ込め期は、要観察例で搬送する患者のうち、実際に鳥インフルエンザ(H5N1)である確率は1%にも満たないと考えられますが、それに対して全てラッサ車を使用するのは物理的に不可能であるということです(ラッサ車が足りなくなることは明らか)。だとすれば、ラッサ車以外で搬送する方法を確立しておかないと、現実味がないのです。

[ 2008/08/21 00:00 ] 移送・搬送・隔離 | TB(0) | CM(0)

福島県立大野病院事件の判決は新型インフルエンザ診療拒否を左右する 

 2008年8月20日、福島地裁で福島県立大野病院事件の判決が言い渡されます。この事件は、2004年12月17日、帝王切開手術時に女性が死亡したもので、同病院の産婦人科医だった加藤克彦医師が業務上過失致死罪と、異状死の届け出を定めた医師法21条違反に問われていた事件です。

 患者は、前置胎盤かつ癒着胎盤で、帝王切開手術後、大量出血を来して死亡しました。術前に前置胎盤との診断は付いていましたが、癒着胎盤であることは分かっていませんでした。

 検察側は、業務上過失致死罪で禁固1年、医師法21違反で罰金10万円をそれぞれ求刑しています 。

 これに対して弁護側はあくまで無罪を主張しています。

 公判の主な争点は以下のとおりです。
(1)帝王切開手術前に、超音波検査だけでなく、MRIも実施すれば、癒着胎盤を診断できたのではないか。
(2)胎盤剥離の際、用手剥離に加えて、クーパーを使ったのは問題ではないか。
(3)子宮と胎盤の剥離が困難になった時点で、剥離を中断し、子宮摘出手術に切り替えるべきだったのではないか。
(4)大量出血を来した時点で、他院の産婦人科医に応援を頼むべきだったのではないか(大野病院の産婦人科医は加藤医師1人のみだった)。


 2006年2月18日の加藤医師の逮捕により、産婦人科関係者だけではなく、医療界全体に大きな衝撃が走ったのは、あまりにも有名です。その後、医療事故が刑事事件に発展することへの懸念が、今に至る医療崩壊につながっているのは明らかですが、このやるせない事件以降、病院、医師、国、地方自治体、そして肝心の日本国民が不幸な方向に進んでいます。

 私自身も、加藤医師の無罪を強く信じています。医療行為には、一定の割合で致命的な結果(死亡するという意味)になることを、裁判官は理解する必要があるのですが、もし、検察の主張が認められ、無罪にならなかったら、医療崩壊はますます進行し、新型インフルエンザパンデミック期の診療を引き受ける医者なんて、よほどの正義感のあるごく少数の医師と、そのようなリスクを何も考えない医師だけになり、完全に崩壊します。

 裁判の結果が気になります。無罪を信じます。

[ 2008/08/20 00:00 ] 医師不足・転職 | TB(0) | CM(0)

政治家は新型インフルエンザ国内第1人目を握りつぶすかも 

 将来必ずマスコミで報道される新型インフルエンザ国内第1人目というのは、現実には誰だか分らない可能性が高いという話です。

 本来は、H5N1インフルエンザ患者の国内第1号はウイルスの検出をもって確定するので、 確実に誰であるということが分かります。

 もし、患者が発生した場合であっても、患者のプライバシー確保の観点から、患者がどの病院に入院しているのかという情報はマスコミに公開しない可能性が高いでしょう。

 しかし、マスコミはあらゆる情報網を駆使して、国内第1号患者の入院先を突き止め、診察している医師からインタビュー記事を取ろうと必死になるでしょう。さらに、国内第1号患者の家族、職場に取材に行くでしょう。これは他の事件事故と同じパターンです。

 ここで、大問題があります。国内第1号患者は、後世にわたって語られ、医学学会で症例発表の対象となり、医学関係者の間では個人情報も語り継がれていく運命にあります。

 もし、国内第1号患者が政治家の関係者であった場合、その政治家自身ではなく、後援者が中心となって、マスコミへの情報公開を潰しにかかってくる可能性があります。時々、週刊誌にそのようなスクープ記事が掲載されていますが、私の周りでも実際にそのように、政治家が介入して問題が公にならないようにされてしまうことがしばしばあります。

 その現実を知った時、とても悲しく、虚しい気分になりましたが、それが暗雲漂う政治の世界なんだと諦めの気分になりました。

 医学上の真実より、政治家の介入が優先される悲しい現実が、もしかしたら新型インフルエンザ発生の第1号患者発表の裏には渦巻いているかもしれません。現に、国外ではそのような政治的陰謀が見え隠れしてます。

[ 2008/08/19 00:00 ] 諦めの気持ち | TB(0) | CM(0)

H5N1(岡田晴恵氏の代表作)映画化へ 

 作家岡田晴恵氏の代表作、「H5N1」の映画化への話が進んでいます。

 出版社のダイヤモンド社によると、「H5N1」は

新型インフルエンザが世界各地で発症、ついに日本に上陸したら――。現役研究員が告発する驚愕の完全シミュレーションストーリー。TVや雑誌等のマスコミが次々ととりあげる話題の一冊。

 だそうです。もはや岡田晴恵氏の主な仕事は「執筆業」ですね。羨ましいです。でも、日本国民に2~3年前に書いたシナリオをあたかも現在の問題のように訴えることだけはやめてほしいなと切に思います。外岡先生はいったいどう思っているのでしょうか?

第1回 感染者は最短4日で死亡。 その数日本国内で210万人以上! (2007年11月28日)
第2回 日本全国民分のワクチン備蓄費用は1700億円! (2007年11月29日)
最終回 情報対策が遅れれば、 社会パニックを引き起こす! (2007年11月30日)

 最近つくづく思うのですが、「社会パニック」を引き起こす引き金として、マスコミによる報道の影響力はあまりにも強力だと思います。以上のタイトルも、国民を煽るために最悪のネタだけを取り上げているため、表面だけを捉えてしまう大多数の国民は不安を煽られるだけでしょう。

 妻夫木聡(27)主演で2009年1月27日公開の映画「 感染列島」(瀬々敬久監督)は、その感染源をH5N1インフルエンザウイルスと特定することないのに対し、「H5N1」はどうなるのでしょうか。これから撮影となると、公開は2009年冬以降になると思うのですが、どのような配役になるのか、原作とどのようにストーリーが変わるのか、楽しみでもあり、不安でもあります。エンディングは原作だと最悪のシナリオですが、映画ではハッピーエンドになってほしいです(多分無理でしょう)。


[ 2008/08/18 00:00 ] 木村盛世等 | TB(0) | CM(0)

発熱外来のかたち(車社会編)-ooyakeブログより 

私が愛読しているooyakeブログに、発熱外来のかたちについて興味深い記事が掲載されていました。

タイプ1「病院併設型」
・発生初期に感染症対応可能な病院敷地内、あるいは近接して設置します。
・市町村保健センターなどに設置する場合もこのパターン
・病院駐車場入り口でスタッフが熱のある患者を振り分け(Ⅰ)
・発熱外来駐車場で待機。診察によって新型かどうか振り分け(Ⅱ)して
・新型の患者は入院勧告によって指定の病床へ搬送、入院治療します。

タイプ2「地域クリニック型」
・感染拡大期に地域の中学校区に1つ程度を目安にして設置。
・公民館や協力して頂ける既存の診療機関
・やはり駐車場で予診・体温を測定して、順番まで車で待機
・診察によって入院が必要な新型かどうかを判断して
・重症の場合は受け入れ医療機関に搬送
・重症でない方は投薬して自宅で経過観察

タイプ3「ドライブイン型」
・設置時期はタイプ2と同じ頃
・あるいはワクチン接種や薬の配布など
・駐車場スポットで待機して、インターフォンでやりとり
・診療なども原則として車内でできるものは車内で
・一部の患者はドライブスルー窓口でも対応
・問題はこのような施設の確保(お店ならあるけど)
ooyakeブログには、図入りで説明有)

 どんなに感染しないように用意周到にしていても、流行っている間に風邪症状になって苦しくなったら、医療機関に行かねばなりませんよね。その際にすべて、「車で移動すること」がポイントです。一般的に、1~2m以内で感染者と接触すると新型インフルエンザにうつってしまうといわれている為、パンデミック時は病院・診療所が実は最も感染の場になってしまうのではないかと懸念されています。「車で移動」し、「車内で問診」し、「車内で診察」されれば、他人にうつすことも、うつされることもありません。従って、 タイプ3「ドライブイン型」を診療初期から採用するのが、「院内(発熱外来内)感染拡大防止」のための必要十分条件だと私もNHKスペシャルでアメリカのインフルエンザワクチン接種場面を見て以降考えていました。

 しかし、住民全員が「車で移動すること」ができない地域では、残念ながら感染症を防ぐ術は正直ないと考えます。誰もがびくびくしながら、「自分だけは罹らない」と祈ってマスクをしながら電車通勤する姿が目に浮かびます。

[ 2008/08/17 00:00 ] 発熱外来 | TB(0) | CM(0)

刑務所での新型インフルエンザ対策はされているか? 

 AP通信によると、アメリカのカリフォルニア州のチャクワラバリー刑務所で、(旧型)インフルエンザ集団発生が2008年2月以来500人以上発生していました。症状は発熱、咳嗽、身体疼痛などです。

prison.jpg  刑務所職員によると、546人の囚人が病気になり、10人は入院しました。2人はインフルエンザにより死亡したようです。8人は入院を続け、残りは刑務所で治療中です。

 現在、一般大衆が暴露することを妨げるため、弁護士とボランティアを含めて、すべての人の刑務所へ訪問を閉鎖中で、囚人の受け入れや移動もなく、囚人移動は刑務所で限定しています。

 なお、チャクワラバリー刑務所の定員は3147人なので、罹患率は約17%に達します
 一般社会と断絶(隔離)されているような刑務所ですが、逆に隔離されているために、そこに新型インフルエンザウイルスが持ち込まれれると、国の試算の25%以上の罹患率が予想されます。刑務所などの行刑施設は、法務省が所管し、内部部局である矯正局及び全国8箇所に設置されている地方支分部局である矯正管区が指導監督に当たっています。  一般市民のためのガイドラインを厚生労働省は作成していますが、果たして法務省は「刑務所内での新型インフルエンザ対策」を考えることは今後あるのでしょうか?

[ 2008/08/16 00:00 ] その他 | TB(0) | CM(1)

「新型インフルエンザ専門家会議」委員リスト(平成20年7月25日現在) 

「新型インフルエンザ専門家会議」委員リスト
平成20年7月25日現在

サーベイランス部門
 荒田吉彦 北海道旭川保健所長
 内田健夫 日本医師会常任理事
 大日康史 国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官
 神谷信行 東京都健康安全研究センター疫学情報室長
 川名明彦 防衛医科大学校内科学講座2(感染症)教授
○谷口清洲 国立感染症研究所感染症情報センター第一室長
 [事務局 結核感染症課]
 [関係課室 地域保健室、労働衛生課]

予防と封じ込め部門
 公衆衛生対策(検疫を含む)
 内田幸憲 神戸検疫所長
○岡部信彦 国立感染症研究所感染症情報センター長
 押谷仁 東北大学大学院医学系研究科微生物学分野教授
 相楽祐子 横浜市立市民病院感染症内科非常勤
 砂川富正 国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官
 藤井充 成田空港検疫所長
 山口亮 北海道江別保健所長
 和田耕治 北里大学医学部衛生学公衆衛生学准教授
 [事務局 結核感染症課]
 [関係課室 地域保健室、食品案全部企画情報課]

ワクチン及び抗ウイルス薬
 庵原俊昭 国立病院機構三重病院長
 岡部信彦 国立感染症研究所感染症情報センター長
 小田切孝人 国立感染症研究所ウイルス第三部第一室長
 河岡義裕 東京大学医科学研究所感染症国際研究センター長
 染谷意 茨城県保健福祉部次長
○田代眞人 国立感染症研究所ウイルス第三部長
 田中政宏 大阪府立成人病センター調査部調査課長
 多屋馨子 国立感染症研究所感染症情報センター第三室長
 永井英明 国立病院機構東京病院外来診療部長
 [事務局 結核感染症課]
 [関係課室 研究開発振興課、国立病院課、血液対策課、審査管理課]

医療部門
 飯沼 雅朗 日本医師会常任理事
 大久保憲 東京医療保健大学医療情報学科感染制御学教授
○川名明彦 防衛医科大学校内科学講座2(感染症)教授
 笹井康典 大阪府健康福祉部長(全国衛生部長会代表)
 野口博史 成田赤十字病院第三小児科部長
 林茂樹 独立行政法人国立病院機構災害医療センター院長
 森兼啓太 国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官
 山本久美 国立感染症研究所感染症情報センター研究員
 和田耕治 北里大学医学部衛生学公衆衛生学准教授
 [事務局 結核感染症課]
 [関係課室 指導課、経済課、国立病院課]

情報提供・共有
 岡部信彦 国立感染症研究所感染症情報センター長
 田崎陽典 (元)株式会社電通パブリックリレーションズ
        コーポレート・コミュニケーション・コンサルティング室
 前田秀雄 東京都健康安全研究センター所長
 丸井英二 順天堂大学医学部教授
 安井良則 国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官
 吉川肇子 慶應義塾大学商学部准教授
 大西正夫 埼玉医科大学客員教授(医事ジャーナリスト)
 石川晴巳 株式会社マッキャンヘルスケアワールドワイドジャパン
        ストラテジックプランナー
 [事務局 結核感染症課]
 [関係課室 広報室]

その他(海外情報収集)
 墨屋勇 オーダーメイド創薬株式会社代表取締役会長
 [事務局 結核感染症課]

[ 2008/08/15 00:00 ] 厚生労働省 | TB(0) | CM(4)

プレパンデミックワクチンの接種開始で思うこと 

注射  2008年8月4日から、プレパンデミックワクチンの医療関係者達への接種が始まりました。 その対象となる病院は非公表となっていますが、「感染症を扱う医療従事者や検疫所職員らの中で同意を得た計約6400人に実施する」とまでは公になっていますので、誰が第一優先の「感染症を扱う医療従事者や検疫所職員」かを考えれば、自ずと接種対象機関がどこは皆様分かると思います。

 さて、今回の接種はあくまで「同意を得た」人を対象にしていますので、もちろん「感染症を扱う医療従事者や検疫所職員」であっても接種を拒否する権利があるのですが、やはり危機感が高いためか、かなり高い確率で「感染症を扱う医療従事者や検疫所職員」はリストに載った場合は接種を希望したそうです。

 数年前に製造されているプレパンデミックワクチンのH5N1ウイルスは、現在流行しているH5N1ウイルスとの遺伝子配列の違いが明確なことが指摘されています。しかし、そのようなワクチン と、今後作られるであろうワクチンを同じ「プレパンデミックワクチン」という言葉でひとくくりにすることが非常に危険です。しかし、「感染症を扱う医療従事者や検疫所職員」は、背に腹は変えられず、その古いプレパンデミックワクチンにすがるしかない状況なのです。

 2年前と1年前、そして今ではプレパンデミックワクチンを取り巻く状況が時々刻々と変わっていることに少なくとも私は気がついています。

 2年前の主張と同じ観点で、現在のプレパンデミックワクチン接種は行われているような気がします。

 なぜ日本はこういう状況になっているのか、私はよく分かりません。 
[ 2008/08/14 00:00 ] ワクチン・タミフル | TB(0) | CM(1)

岡田晴恵氏の効と罪(2) 新型インフルエンザの学校対策 



 作家である岡田晴恵氏が、どんどん本を発行してます。

新型インフルエンザの学校対策 ―H5N1型ウイルスから子どもたちを守る基礎知識と指導資料― (ペーパーバック)

 憲法で守られた表現の自由なので、やむをえない状況ですが、最近の岡田晴恵氏の執筆本で、皆様なにかお気づきの点はないでしょうか。

 最近の著書は、岡田晴恵氏の単独執筆であり、上司である田代眞人部長の名前は記載されていません。何故でしょうか?

 公務員が、業務に関係する冊子をまとめる場合、通常は冊子であっても業務の一環として予算を獲得し、議会でその内容をチェックされ、可決されて初めてその予算は執行され、発行されます。業務の一環であるため、無償配布となることがほとんどです。

 なのに、なぜ、岡田晴恵氏の著書はこんなにも高価なのでしょうか?なぜ無償頒布されなのでしょうか?国立感染症研究所のホームページから、インターネットでPDFファイルとしてなぜダウンロードできないのでしょうか?新型インフルエンザの学校対策は、1冊あたり2100円支払わないと、知る権利がないのでしょうか?

 答えは明確。組織としての意見・見解ではなく、個人的な著書だからです。国立感染症研究所の公務員としての意見・見解は無料で尋ねる権利を日本国民は有していますが、個人の思想・意見を知るには、その相手が対価を求めるならば、払うしかありません。

 何度も繰り返します。作家である岡田晴恵氏の効と罪、賛否両論ありますが、自治体の皆様、国民の皆様、内容をよく吟味して対応してください。


[ 2008/08/13 00:00 ] 木村盛世等 | TB(0) | CM(4)

210万人の死亡推計を視覚的にイメージする 

 厚生労働省によると、過去に流行したアジアインフルエンザやスペインインフルエンザのデータに基づき推計すると、死亡者は17万人~64万人と推定されています。また、オーストラリアの研究機関は、日本で最大210万人の死亡者がでると想定しており、国立感染症研究所研究員の岡田晴恵氏はこの210万人で準備を進めるべきだと警告しています。
 しかし、ほとんどの国民にとっては、「64万人」も「210万人」もピンとこないのではないでしょうか?ですので、簡単にグラフ化してみました。
64-s.jpg
210-s.jpg
 どうでしょう?「64万人」、「210万人」の死者が出るというインパクトを実感していただけましたか?さらに働き盛りの世代が失われてしまうのです。

 なお、何度かこのブログで国会議員の重要性について記述いたしましたが、国会会議録検索システムで会議録が検索できますので、時間のある方は一度覗いてみてください。

[ 2008/08/12 00:00 ] Q&A | TB(1) | CM(3)

日経BP 外岡外岡立人小樽市保健所長インタビュー記事 

 日経BPが、外岡外岡立人小樽市保健所長インタビュー記事を2008年8月8日から掲載しています。

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/interview/92/

 今の私の考えていることもすべて凝縮した素晴らしい記事で、今日本の地方自治体で新型インフルエンザ対策に関わっているすべての人にこの記事を読んでもらいたいです。是非、みなさんは知り合い、上司、部下、あらゆるつてを使ってこの記事を紹介してください。

すべての内容が素晴らしいのですが、特に
危機感を煽るのではなく冷静な啓蒙活動をという部分に共感を持ちます。

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/interview/92/index3.html

以下、一部引用させていただきます。
外岡:だからといっていたずらに危機感を煽るような啓蒙活動は好ましくないでしょう。今年1月にNHKが放送した番組(NHKスペシャル「シリーズ最強ウイルス」2008年1月12・13日放送)は、一般に新型インフルエンザの脅威を伝えるのには非常に大きな役割を果たしました。しかし、今後とも「こんなに怖い感染症がやって来る危険性がある」という形での啓蒙活動の必要があるかといえば、わたしはないと考えています。もっと、「明るい希望のある」啓蒙活動をしていくべきです。

――何か、そのように考える根拠があるのでしょうか。

外岡:全世界の情報を集め分析していると、この1年ぐらいで、新型インフルエンザへの対抗手段が急速に充実しつつあるのが分かるからです。

 例えばワクチンならば、鶏卵を使った従来の製造法とは異なる、さまざまな細胞を利用した、より高い生産速度を達成した細胞培養法がいくつも実用化の段階に入りました。現在世界的には、通常の風邪を引き起こすアデノウイルスに、H5N1インフルエンザウイルスの遺伝子を組み込んだ上で、細胞培養法でワクチンを製造するという手法が注目されています。短期間に安全性の高いワクチンを製造する方法として有力です。グラクソ社の「プレパンドリックス」のように、プレパンデミックワクチンが臨床向けに発売されるようにもなりました。

 英国とベルギーのバイオ企業は共同で、H5N1を含む全てのA型インフルエンザに対して免疫を発現する万能型ワクチンを開発しています。すべてのA型インフルエンザウイルスに共通な抗原に着目して体内に抗体を生成するというものです。

 接種も、注射だけではなく、鼻腔内へのスプレーや皮膚にパッチを張るという手法が開発されています。

 抗ウイルス剤も、ワクチンに添加するアジュバント(免疫増強剤)も、研究が進んでより良いものが出来つつあります。特に抗ウイルス剤に関しては、タミフルの特許を持つスイスのロシュ社は既に年間4億人分のタミフルの生産体制を整えており、各国でのライセンス生産に応じる姿勢も見せています。

 過去のインフルエンザ罹患履歴やワクチン接種の履歴によっては、H5N1ウイルスに対する交差免疫が生じる可能性があるという研究も出ています。つまり毎年、通常のインフルエンザワクチンの接種を受けている人は、ある程度のH5N1ウイルスに対する免疫を獲得している可能性もあるのです。

 要するに、1918年のスペインインフルエンザの時とは、人間の側が保有する対抗策が桁違いに増えているのです。スペインインフルエンザの時は、そもそもウイルスというものすら発見されていませんでした。公衆衛生に関する知識も普及してはいませんでした。

 それに比べれば、今、我々はさまざまな対抗策を手に入れつつあります。確かに、全世界的な交通網の発達により、ウイルスが拡散する速度は非常に速くなっているでしょう。それでも、わたしは今現在、人類が保有する対抗手段を正しく使うならば、悲惨な事態は回避しうると考えています。

 ですから必要なのはいたずらに「怖い感染症が来るよ」とあおり立てるような啓蒙活動ではありません。正しい知識と見通しに基づいた、冷静な啓蒙活動が必要なのです。「スペインインフルエンザよりも恐ろしい事態になり得る」といつまでも言い続けるのではなく、「今はこういう対策も取り得るのだから、このようにして被害を小さくしていこう」と語っていくべきなのです。

    まったくその通りですね。2~3年前の主張を今になっても繰り返している人々が沢山います。正直私も最初はそのような情報を鵜呑みにしそうになる時期もありましたが、もう今は違います。冷静です。皆さんもとにかく冷静に、正しい情報を選択してください。

[ 2008/08/11 00:00 ] 使えるマニュアル・HP | TB(0) | CM(0)

イハラなど、新型インフル対策の防護服開発 

 金属建具メーカーのイハラ(香川県多度津町、伊原正行社長)と同業のナカエンジニアリング(同、中村守社長)は共同で、新型インフルエンザ対策の防護服と組み立てが簡単な個室ユニットを開発した。特殊なフィルターを通してほぼ完全にウイルスを除去する。建築基準法改正の影響などで本業の先行きには不透明感もあり、事業の多角化を図る。

 開発した「P,YOU移動式空気浄化装置」はフィルターを搭載した装置と顔の部分が膨らんだ防護服、装置と防護服の顔の部分がつながったホースからなる。ナカエンジニアリングが開発したフィルターはガラス繊維や不織布による三層構造で、微細なウイルスを吸着する。

 防護服を着た人が吐いた空気はホースを通って装置に入り、フィルターでウイルスが除去された上で、浄化された空気として外気に排出される仕組み。 独自に開発したガラス繊維製のフィルターと不織布などを重ねたもので、これに通過させることでウイルスを吸着。鳥取大農学部の伊藤啓史准教授の性能試験によると、鳥インフルエンザのウイルスをフィルターに通した場合、99・9984%以上を除去できたという。

 新型インフルエンザに感染した疑いがある人にこの装置を着用させれば、検査や治療などの際に部屋にウイルスがまき散らされる可能性が大幅に減らせる。価格は約70万円。 量産体制を整えた後、今夏にも販売を始める。(四国新聞などから引用)
 新型インフルエンザ患者は、国民の25%、640万人が感染することが予想されており、患者は同時に100人、1000人、10000人発生します。イハラの開発した防護服は物理的な面ではフィルターでウイルスが除去されるのでしょうが、搬送の場面では挿管されたり、点滴のラインを確保したり、呼吸器管理をすることも予想されます。70万円という価格を考慮すると、医師としてはこれを購入する判断には至りません。費用対効果が低いのです。

[ 2008/08/10 00:00 ] 企業の動き | TB(0) | CM(1)

埋火葬の円滑な実施に関するガイドラインを考察する 

 感染が拡大し、全国的な流行(パンデミック)が発生した場合には、死亡者の数が火葬場の火葬能力を超える事態が起こり、火葬の円滑な実施に支障を生ずるとともに、火葬に付すことができない遺体の保存対策が大きな問題となります。

  「埋火葬の円滑な実施に関するガイドライン」では、主に以下の点について記載があります。
reikyusha.jpg 1.火葬体制の整備
2.遺体の保存対策
3.遺体との接触等について
4.消毒処置について
5.埋葬の活用等

 公式見解は行政のなどの作成する文章にお願いするとして、ここでは状況をイメージしてみます。

1.発熱、呼吸困難などの症状により、病院に家族を連れて行くも、残念ながら亡くなってしまいました。
 ↓
2.医師による死亡確認後、死亡診断書をもらいます。
 ↓
3.斎場に遺体を運び、通夜・葬儀・告別式を行います。
 ↓
4.葬儀後、遺体を火葬場に搬送し、火葬します。
 ↓
5.お骨上げをします。

 3番の時点で行き詰ってしまうことが予想されます。それは、火葬場が遺体処理能力を超えているので、火葬場に遺体を搬送できないと言われてしまうからです。遺体の搬送は、患者家族の自己負担によりなされるものであり、一般的には葬儀会社が請け負うものですが、火葬できない遺体を葬儀会社が引き受けることは想定できないため、「いったい誰が遺体を仮安置所まで搬送するのか」という問題が生じます。ちなみに、救急車は遺体の搬送はしません。

 また、火葬できるまで、遺体収納袋に遺体を安置することも想定されています。遺体収納袋は、地震などの大規模災害や、山岳での遭難等を想定して一般的には販売されているものです。

 新型インフルエンザ対策は、患者被害を最小限にすることが最も重要ですが、発生してしまった被害に対して、どのように対応するのかも考える必要があるのが、対策のポイントの一つだといえるでしょう。

[ 2008/08/09 00:00 ] その他 | TB(0) | CM(0)

滋賀県 新型インフル対策計画 本年度内に改定 項目など追加へ  

 滋賀県インフルエンザ総合対策会議(議長・澤田史朗副知事)が2008年7月29日、県庁で開かれ、県新型インフルエンザ対策行動計画を本年度内に改定することを決めた。新型インフルエンザ流行時の県民生活や社会機能の維持に向けた対策項目を追加したり、国の対策ガイドライン策定などに伴う見直しを行う。

 新型インフルエンザが大流行すると、感染者は人口の25%ほどと予測される。さらに家族の看護や保育所の閉鎖で「4割から6割が職場に出てこられない」(県健康推進課)とみられ、社会生活の混乱が懸念される。

 県は行動計画の改定により、流行の段階に応じて、ライフラインを担う事業者や日常生活物資を供給する流通業界などにマンパワーが減る中での業務継続の準備や協力を呼びかけることを盛り込む。

 国が昨年3月に定めた対策ガイドラインでは、新型インフルエンザ発生時には保健所ごとに「発熱相談センター」、感染症指定医療機関には「発熱外来」を設けるとしており、県の行動計画にも反映させる。
(2008年7月29日京都新聞より引用)


 滋賀県は「もったいない」で有名な嘉田由紀子知事が行政のトップですが、

タミフルの備蓄なんてもったいない
PPEの整備なんてもったいない

と叫ばないことを祈ります。


[ 2008/08/08 00:00 ] 行政の会議・計画 | TB(0) | CM(0)

菅谷憲夫氏は繰り返し冷静な対応を求める 

新型インフルワクチン、事前接種に賛否 研究者ら都内でシンポ

 新型インフルエンザのワクチン事前接種の臨床研究が8月から始まるのを控え、研究者らによるシンポジウムが26日、東京都板橋区の日本大学で開かれた。副作用への懸念から賛否両論が展開された。

 シンポジウムは「インフルエンザ研究者交流の会」が主催した。厚生労働省は8月、事前接種の有効性を調べるため、医療関係者など約6400人から希望者を募って臨床研究に乗り出す。効果や安全性が確認されれば、接種を希望する国民へと、段階的に拡大することも検討している。

 けいゆう病院の菅谷憲夫・小児科部長は事前接種に使うワクチンについて「欧米のものと比べて効果が低い」と指摘し、「ワクチンは新型が発生してから接種を始めるべきだ」と話した。
(2008年7月27日NIKKEI NETより引用・改編)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080727AT1G2601X26072008.html

 昨日に引き続き、菅谷憲夫氏の記事を掲載させていただきました。


インフルエンザ研究者交流の会のHPから一部引用させていただきます。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsci/jscisympo2008/index.html
状況説明  ここ数年、H5N1亜型の鳥インフルエンザの東南アジアでの流行とそれに伴うヒトでの散発例があり、それらのいずれかがヒト間での感染性を獲得し、最終的に新亜型(以後新型とする)インフルエンザのパンデミックが起きることが懸念されています。それを受け、わが国でも国家として新型インフルエンザ対策が練られ始めています。対策のひとつに新型インフルエンザに対するワクチン準備があり、現在は、プレパンデミックワクチンと称されるH5N1に対するワクチンが、国家レベルで準備され備蓄されています。  そのプレパンデミックワクチンですが、前回健康成人300人を対処にして行なわれた第Ⅱ/Ⅲ相試験の成績から、同ワクチンは良好な反応性を持ち、副作用の少ないワクチンであるとの説明がなされ、もうすぐ、6,400人の医療、検疫関係者に対してこのプレパンデミックワクチンの臨床試験が開始されます。こうした臨床試験がなされること自体は、評価は分かれるところかもしれませんが、大きな問題ではありません。懸念すべきは、マスコミ報道で、厚生労働大臣が、新型インフルエンザ対策専門家会議に先立って発表した内容でした。それは、この臨床試験の後、「良好な結果が得られれば」「1000万人への事前接種」という「世界で初めての対応」を「検討したい」「希望者全員に事前接種できる体制に、できるだけ早くもって行きたい」「専門家の方々の意見が決まったら、その方向で政策を実行に移したい」と発言したことです。

 その後、読売新聞(5月30日「論陣・論客」)と毎日新聞(6月8日「闘論」)が、これに異議を唱える菅谷先生(けいゆう病院(横浜))と、専門家会議でこのプレパンデミックワクチンの接種を推進する立場の庵原先生(国立病院機構三重病院)との紙上論争を掲載しました。まだ読まれていない方のために、非常に荒っぽくですが、要約しますと、菅谷先生の意見は次のようなものです。

1.日本のプレパンデミックワクチンの性能は、欧米のワクチンに比べまだ十分ではなく、どの程度効果あるかも疑問である。

2.現在、H5N1の流行状況はWHOや日本の定義でもまだフェーズ3であり、パンデミックのリスクの蓋然性はまだ低い。

3.プレパンデミックワクチンは、通常のワクチンとは製造法が異なり(全粒子ワクチン;アジュバント添加)、国民への大規模接種を実施すれば、1976年米国での豚インフルエンザ騒動でのギランバレー患者の出現のように、副作用問題が燃え上がる懸念がある。

4.ワクチンの接種は、メリットとデメリットを勘案して判断すべきであり、現在のパンデミックのリスク程度では、現状でのプレパンデミックワクチンを、今日本が敢えて世界に先駆けて国民に接種する理由はない。


 一方、庵原先生の意見はこうでした。

1.日本のワクチンの性能は欧米のワクチンにくらべて悪いかもしれないが、それでも接種を受けた人たちのほとんどで抗体の「上昇」が見られており、接種により予防効果が推測できる。

2.現在、東南アジアでは依然としてH5N1の鳥での流行が続いており、ヒトでの患者も散見され、新型はこの亜型から発生する確率が高い。プレパンデミックワクチンは同じ亜型のウイルスから作るので効果が期待できる。今、ワクチンを打っておかないと実際にH5N1ウイルスのインフルエンザの流行がわが国にやってきたときに間に合わない。 H5N1に備えるのは社会防衛上必要不可欠である。

3.1976年の米国でのギランバレー症候群の出現も、原因はよくわかっておらず、そうした副作用への警戒心ばかりが先行すると、多くの犠牲者が出る危険性が高くなる。

4.ワクチン接種は任意であり、接種しないという決断もありうる。その場合、個人が下した個人的、社会的責任を負う覚悟が必要である。


 言うまでもなく、この問題は、私たち自身も含む社会全体にとって非常に大事な意味を持っています。しかしながら私たちは、大臣発言を新聞報道で知らされただけであり、その発言の根拠となる厚生労働省が主催する「専門家会議」でどのような議論が行なわれているかについてはほとんど情報を持ち合わせていません。

 私たちの大半は、たんなる長年インフルエンザを研究してきた研究者集団であります。また、交流の会の本来の目的は、インフルエンザ研究者同士の相互理解と日本のインフルエンザ研究者の資質向上です。そういった意味で、交流の会の場は政治や行政判断にはなじみません。

 しかし、私は、プレパンデミックワクチンの一般国民への大規模接種の方針「検討」という一大事を前にして、インフルエンザをメシのタネにしている人間が、何ら議論をしないとすれば社会に対して、大きな負い目を追いかねないと考えます。

 私たちに何ができるでしょうか? この問題は、非常に難しい問題でもあり、本当の正解はないかもしれません。それでも私たちが社会に対してできることは、新型インフルエンザの脅威とそれに対するワクチンについて、きちんとしたデータに基づき、明るくオープンな場で議論することです。

 実際私たちは、このワクチンの性能はどれほどのものか? このワクチンの効果の、理論的期待度は? 望ましいワクチンとはどのようなものか? 副作用の危惧はどれだけか? 現在のフェーズ3が近々パンデミックになる蓋然性はどれほどなのか? H5がパンデミックとなった場合、どれだけの悪性度が予想されるか?等々、このワクチンを今接種することの妥当性に大きくかかわる点について、正面から議論したことはありませんでした。

 私は、こうした問題を、「データをもとに科学的に議論」してみたいと思いました。そしてそのために、今度の論争の当事者や厚生労働省の担当者その他の関係者にいらしてもらい、「具体的に」データをもとに説明してもらい、それをもとに、「どのようなデータが欠けていて、今後必要とされる」かという点も含めて議論したいと思いました。

 前置きが長くなりましたが、私は会長として、来年の正式な第23回の前に、それもできるだけ早い時期に、この議論のために臨時のシンポジウムを開きたいと思います。公開で行い、報道の方の参加も受け付けたいと思っています。

 できるだけ公平な議論の運営をするために、インフルエンザとは分野が少々離れてはいるもののウイルス、ワクチン、疫学の分野で広い知識とセンスそして良識を持った人をモデレーターとして司会進行をお願いします。

 すでに菅谷先生と庵原先生には参加の内諾を得ており、厚生労働省の担当者については、打診しているところです。

 なおモデレーターが所有する双方向インターアクティブ無線機を用いて皆さまにこの問題に関するさまざまなことについて質問し、その回答をリアルタイムで示し皆さんがその時点でどのように考えているかを見る試みも予定しております。(なお、ご注意申し上げますが、これは対立を煽るとか、多数決という意味ではなく、あくまで私たちが現状をどのように捉えているか、多様性を見る試みです。)


[ 2008/08/07 00:00 ] 講演・セミナー | TB(0) | CM(0)

日本旅行医学会講演で菅谷憲夫氏は冷静な判断を示す 

日本旅行医学会、新型インフルエンザは正しい情報に冷静な対応を

 日本旅行医学会は7月29日、AIU保険と新型インフルエンザ対策セミナーを開催し、正しい情報を客観的に判断することの重要性を訴えた。講師を務めた慶応大学医学部客員准教授の菅谷憲夫氏は、「新型インフルエンザがもうすぐ出るのは100%間違いなく、(危機意識を)クールダウンするつもりはない」と前置きし、「(毒性が高いとされる)H5N1型のインフルエンザが必ず出現するとは限らず、その他の新型インフルエンザが流行する可能性もある。また、致死率は60%で600万人の日本人が死亡すると脅威が強調されているが、こんな大げさなことは世界の誰も言っていない」と指摘し、重要なのは事実に即した対策と語った。

 日本旅行医学会専務理事の篠塚規氏によると、今回のセミナーは旅行会社から新型インフルエンザについての正確な情報や対策を求める声が多く寄せられていたことを受けたもの。篠塚氏は「SARSの時も報道で脅威が強調され、旅行業界は大きな影響を受けた」とし、業界としてもメディアの情報ばかりに左右されず、冷静な対応が必要であると説明。ただし、今回のセミナーは「正しい知識の取得」を主目的にしたため、旅行業界としての具体的な対策には言及できておらず、この点については次回以降のテーマになるとの考えだ。
(2008年7月30日トラベルビジョン-ニュースより引用・改編)
http://www.travelvision.jp/modules/news1/article.php?storyid=37453

 菅谷憲夫氏は、5年以上前から新型インフルエンザ対策の重要性を訴え続けているパイオニアです。その証拠に、現在でも
けいゆう病院小児科部長菅谷憲夫氏もし「新型インフルエンザ」パンデミックが始まったら迅速診断キットとノイラミニダーゼ阻害剤で防衛:MedWave Back Numberという2004年の記事が掲載されています。
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/289362.html

 しかしながら、岡田晴恵氏のようにマスコミに売り込みをすることもなく、執筆活動に精を出すこともなく(以下の1冊だけ発行、もう1冊は臨床の教科書)、むしろここ数年は発言を控えていた観があります。


 岡田晴恵氏と菅谷憲夫氏は、プレパンデミックワクチンの接種という点で大きく意見が対立しています。

岡田晴恵氏:プレパンデミックワクチン接種積極的推進派
菅谷憲夫氏:プレパンデミックワクチン接種慎重派


 世界的には菅谷憲夫氏の主張が大多数であり、接種慎重ということで一見マスコミ受けしないのですが、その内容はとても説得力があります。

 日本人は、正しくないことでも、マスコミなどに露出の高いものを信じる傾向があるので、私はその状況をかなり危惧しています。冷静な対応を是非お願いします。


[ 2008/08/06 00:00 ] 講演・セミナー | TB(0) | CM(0)

新型インフルエンザで青森県が初の全庁レベル訓練 

新型インフルエンザで青森県が初の全庁レベル訓練

県は29日、全庁レベルで初めて新型インフルエンザ対応訓練を行った。県内のり患状況の把握・周知や医療的対処に加え、物資流通など社会機能への影響も含めた形で課題や対策を探った。

 訓練には三村申吾知事をはじめ県職員約100人が参加。20××年5月29日午前9時、むつ保健所管内の男性会社員(43)が県内で初めて新型インフルエンザをり患した疑いがあることを確認。6月19日までに外来患者9602人、入院患者255人、死亡者66人を確認したとの想定で行った。

 県は同日以降、6月19日までに庁内対策本部を3回開き、患者の発生状況などに応じて順次、流行警戒宣言、緊急事態宣言を出した。
 各部署は患者の発生状況、生活必需品の買いだめにより品不足が生じていることなどを報告。中核的な病院での新型インフルエンザ外来設置、公的医療への患者収容要請、備蓄タミフルの市場放出、食糧確保など対策を確認した。

 訓練には難波吉雄・厚生労働省新型インフルエンザ対策推進室長が参加して講評、(1)県民が知りたい情報が何かを分析すること(2)県庁や病院などは、緊急時にも各事業を継続できるよう「事業継続計画」(BCP)の作成を検討すべき―と指摘した。また、庁内関係部署の職員を集めた図上演習も行った。

 県は今回の訓練を踏まえて課題を分析し、既存の関連計画の修正などを検討する。
(2008年7月30日陸奥新報より引用・改変)
 難波吉雄・厚生労働省新型インフルエンザ対策推進室長は、2006年から2008年3月まで青森県健康福祉部長(厚生労働省の出向ポスト)でした。方自治体が中央官庁から高い給料を払って(難波吉雄室長は厚生労働省では課長級ですが、青森県では1ランク上の部長!)プライドの高い官僚を招く理由は、中央と地方の人的な強いパイプを築くためという面がとても大きいのです。

 全然中央とコネもない地域が、厚生労働省新型インフルエンザ対策推進室長を招くことなんてなかなか出来ません。さて、青森県は今後どうするのでしょうか?
 青森県のホームページを見てみましたが、今回の訓練についての記事や、新型インフルエンザ対策のページをトップページから見つけることは出来ませんでした。まあ、現実はこんなものでしょう。


[ 2008/08/05 00:00 ] 訓練フェーズ4B | TB(0) | CM(0)

第8回新型インフルエンザ専門家会議資料 

第8回新型インフルエンザ専門家会議


http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/s0730-13.html
日時:平成20年7月30日(水)
10:00~12:00
場所:KKRホテル東京
11階孔雀の間

議  事  次  第
1.各部門からの報告
(1)公衆衛生対策部門
1)新型インフルエンザ対策における基本戦略の策定について
2)早期対応戦略ガイドラインについて
3)事業者・職場における対策について
4)感染防護具の使用の考え方について※
※ 公衆衛生対策部門及び医療部門より報告

(2)ワクチン及び抗ウイルス薬部門
1)プレパンデミックワクチンの製造に用いるウイルス株について
2)プレパンデミックワクチンにおける臨床研究について

(3)医療部門
1)都道府県等におけるパンデミックに備えた医療体制整備について
2)新型インフルエンザ患者の治療における人工呼吸器確保の考え方について

(4)サーベイランス部門
新型インフルエンザ対策におけるサーベイランスシステムの抽出された課題について

(5)情報提供・共有部門
  2.与党鳥由来新型インフルエンザに関するPTの提言について

 これって、専門家会議の委員が誰であるかがとても重要だと思うのですが、ホームページには公開されていないようです。何故それは掲載されないのでしょうか。
 専門家会議は誰が委員であるかでその方向性はある程度決定しています。身近な例では猪瀬直樹氏の過激な発言で物議をかもし出した道路公団民営化委員会が挙げられます。

 今回の会議のメンバーが誰か、調べてみて分かりましたら後日アップしたいと思います。



[ 2008/08/04 00:00 ] 厚生労働省 | TB(0) | CM(1)

新型インフル、国内発生時は在宅医療で 

 世界保健機関(WHO)の尾身茂・西太平洋地域事務局長は2008年3月29日、新型インフルエンザ対策の与党プロジェクトチーム(座長・川崎二郎元厚労相)の会合で講演し、新型インフル患者が、国内で発生した時は患者や感染が疑われる人を自宅待機させ、在宅医療で対応すべきだとの認識を示した。

 国は、国内で数十人規模の患者が発生した場合、医療機関に設置した専用外来で患者を診察し、感染拡大を防ぐ方針を示している。だが、尾身氏は、この方針に対し「病院は患者が集まる最大の感染源」とし、来院を重症患者に限るべきだとした。在宅医療を行う際は、「事前に誰が患者宅を訪れるのか調整が必要」と述べた。 (2008年3月1日 読売新聞)

同じ与党プロジェクトチームの記事でも、新聞によって重点が違いますね。

 ちなみに、医師会は新型インフルエンザに対しては90%が逃げ腰ですから、はっきりいって在宅医療を受けられる患者は全体の1%いるかどうかでしょう。

 しかし、尾身茂先生はあらゆる講演会でこの「患者や感染が疑われる人を自宅待機させ、在宅医療で対応すべきだ」という持論を展開しています。この方針は、残念ながら、今の日本の(厚生労働省の)ガイドラインには反映されていません。

 私も、発熱外来の概念を国が提案しているので、それを運営するためにどうしたらいいかという事をこのブログでもいくつか提案してきましたが、考えれば考えるほど、発熱外来は感染の温床になるだけだという思いを強く抱くようになりました。

 日本人は(ウイルス性の)風邪は薬をもらっても根治しないということを知っていても病院にいってしまうような国民性です。ましてパンデミック期に自宅待機を要請して、国民がその言うことを聞くとは現時点でまったく思えませんが、私はパンデミックの性質を考えると尾身茂先生の 「患者や感染が疑われる人を自宅待機させ、在宅医療で対応すべきだ」という意見に大賛成 です。

 なお、これを実行するためには、在宅医療を医師以外の職種など(看護師、保健師、薬剤師、歯科医師、医学部学生、歯学部学生)でも行えるという、超法規的な対応を行うという前提があるので、そういう意味でリスクコミュニケーションが大切で、今すぐはじめなければなりません。

[ 2008/08/03 00:00 ] 議員・政党 | TB(0) | CM(0)

イオングループで配布している備蓄物品リスト 

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 イオンというスーパーを経営するグループがあります。マックスバリュ東北などもこのイオングループです。
 そこでは2007年初頭から、左のような備蓄物品リストのA4サイズのチラシ・パンフレットを配っています。

 そこには、以下のような記載があります。

知っていますか 新型インフルエンザ
「新型インフルエンザ」とは、人から人へ急速に感染する新しい病気です。


 そして2週間分の食料・日用品を準備してくださいとの記載があります。裏にそのリストがあり、これらの食料・日用品はイオングループで購入してくださいという意図があると思います。

 このチラシによって食料・日用品を備蓄しようと行動変容される消費者がいたかどうかは不明ですが、国のガイドラインをそのまま鵜呑みして「2週間分の食料・日用品を準備」とすることには疑問を感じます。1年前に作成したチラシ・パンフレットをそのまま配布し続けるのではなく、最新(細心?)の危機管理対策に基づき、「6か月分分の食料・日用品を準備」とするなどの変更をする処置が企業には求められていると思います。

 なお、イオングループ以外で、このようなチラシ・パンフレットを配布しているスーパーをご存知の方がおりましたら、ご一報いただけると幸いです。

[ 2008/08/02 00:00 ] 企業の動き | TB(0) | CM(4)









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