TOP PAGE 210万人死亡イメージ 木村盛世等
新型インフルエンザで重症者や死者が多い理由を図解する
番外編 新型フル患者分布地図 国立感染症研究







1918年の新型インフルエンザウイルス罹患患者の収容の様子…こんなことにはならないのでご安心ください

厚生労働省:新型インフルエンザ対策関連情報
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

菅谷憲夫氏は繰り返し冷静な対応を求める 

新型インフルワクチン、事前接種に賛否 研究者ら都内でシンポ

 新型インフルエンザのワクチン事前接種の臨床研究が8月から始まるのを控え、研究者らによるシンポジウムが26日、東京都板橋区の日本大学で開かれた。副作用への懸念から賛否両論が展開された。

 シンポジウムは「インフルエンザ研究者交流の会」が主催した。厚生労働省は8月、事前接種の有効性を調べるため、医療関係者など約6400人から希望者を募って臨床研究に乗り出す。効果や安全性が確認されれば、接種を希望する国民へと、段階的に拡大することも検討している。

 けいゆう病院の菅谷憲夫・小児科部長は事前接種に使うワクチンについて「欧米のものと比べて効果が低い」と指摘し、「ワクチンは新型が発生してから接種を始めるべきだ」と話した。
(2008年7月27日NIKKEI NETより引用・改編)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080727AT1G2601X26072008.html

 昨日に引き続き、菅谷憲夫氏の記事を掲載させていただきました。


インフルエンザ研究者交流の会のHPから一部引用させていただきます。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsci/jscisympo2008/index.html
状況説明  ここ数年、H5N1亜型の鳥インフルエンザの東南アジアでの流行とそれに伴うヒトでの散発例があり、それらのいずれかがヒト間での感染性を獲得し、最終的に新亜型(以後新型とする)インフルエンザのパンデミックが起きることが懸念されています。それを受け、わが国でも国家として新型インフルエンザ対策が練られ始めています。対策のひとつに新型インフルエンザに対するワクチン準備があり、現在は、プレパンデミックワクチンと称されるH5N1に対するワクチンが、国家レベルで準備され備蓄されています。  そのプレパンデミックワクチンですが、前回健康成人300人を対処にして行なわれた第Ⅱ/Ⅲ相試験の成績から、同ワクチンは良好な反応性を持ち、副作用の少ないワクチンであるとの説明がなされ、もうすぐ、6,400人の医療、検疫関係者に対してこのプレパンデミックワクチンの臨床試験が開始されます。こうした臨床試験がなされること自体は、評価は分かれるところかもしれませんが、大きな問題ではありません。懸念すべきは、マスコミ報道で、厚生労働大臣が、新型インフルエンザ対策専門家会議に先立って発表した内容でした。それは、この臨床試験の後、「良好な結果が得られれば」「1000万人への事前接種」という「世界で初めての対応」を「検討したい」「希望者全員に事前接種できる体制に、できるだけ早くもって行きたい」「専門家の方々の意見が決まったら、その方向で政策を実行に移したい」と発言したことです。

 その後、読売新聞(5月30日「論陣・論客」)と毎日新聞(6月8日「闘論」)が、これに異議を唱える菅谷先生(けいゆう病院(横浜))と、専門家会議でこのプレパンデミックワクチンの接種を推進する立場の庵原先生(国立病院機構三重病院)との紙上論争を掲載しました。まだ読まれていない方のために、非常に荒っぽくですが、要約しますと、菅谷先生の意見は次のようなものです。

1.日本のプレパンデミックワクチンの性能は、欧米のワクチンに比べまだ十分ではなく、どの程度効果あるかも疑問である。

2.現在、H5N1の流行状況はWHOや日本の定義でもまだフェーズ3であり、パンデミックのリスクの蓋然性はまだ低い。

3.プレパンデミックワクチンは、通常のワクチンとは製造法が異なり(全粒子ワクチン;アジュバント添加)、国民への大規模接種を実施すれば、1976年米国での豚インフルエンザ騒動でのギランバレー患者の出現のように、副作用問題が燃え上がる懸念がある。

4.ワクチンの接種は、メリットとデメリットを勘案して判断すべきであり、現在のパンデミックのリスク程度では、現状でのプレパンデミックワクチンを、今日本が敢えて世界に先駆けて国民に接種する理由はない。


 一方、庵原先生の意見はこうでした。

1.日本のワクチンの性能は欧米のワクチンにくらべて悪いかもしれないが、それでも接種を受けた人たちのほとんどで抗体の「上昇」が見られており、接種により予防効果が推測できる。

2.現在、東南アジアでは依然としてH5N1の鳥での流行が続いており、ヒトでの患者も散見され、新型はこの亜型から発生する確率が高い。プレパンデミックワクチンは同じ亜型のウイルスから作るので効果が期待できる。今、ワクチンを打っておかないと実際にH5N1ウイルスのインフルエンザの流行がわが国にやってきたときに間に合わない。 H5N1に備えるのは社会防衛上必要不可欠である。

3.1976年の米国でのギランバレー症候群の出現も、原因はよくわかっておらず、そうした副作用への警戒心ばかりが先行すると、多くの犠牲者が出る危険性が高くなる。

4.ワクチン接種は任意であり、接種しないという決断もありうる。その場合、個人が下した個人的、社会的責任を負う覚悟が必要である。


 言うまでもなく、この問題は、私たち自身も含む社会全体にとって非常に大事な意味を持っています。しかしながら私たちは、大臣発言を新聞報道で知らされただけであり、その発言の根拠となる厚生労働省が主催する「専門家会議」でどのような議論が行なわれているかについてはほとんど情報を持ち合わせていません。

 私たちの大半は、たんなる長年インフルエンザを研究してきた研究者集団であります。また、交流の会の本来の目的は、インフルエンザ研究者同士の相互理解と日本のインフルエンザ研究者の資質向上です。そういった意味で、交流の会の場は政治や行政判断にはなじみません。

 しかし、私は、プレパンデミックワクチンの一般国民への大規模接種の方針「検討」という一大事を前にして、インフルエンザをメシのタネにしている人間が、何ら議論をしないとすれば社会に対して、大きな負い目を追いかねないと考えます。

 私たちに何ができるでしょうか? この問題は、非常に難しい問題でもあり、本当の正解はないかもしれません。それでも私たちが社会に対してできることは、新型インフルエンザの脅威とそれに対するワクチンについて、きちんとしたデータに基づき、明るくオープンな場で議論することです。

 実際私たちは、このワクチンの性能はどれほどのものか? このワクチンの効果の、理論的期待度は? 望ましいワクチンとはどのようなものか? 副作用の危惧はどれだけか? 現在のフェーズ3が近々パンデミックになる蓋然性はどれほどなのか? H5がパンデミックとなった場合、どれだけの悪性度が予想されるか?等々、このワクチンを今接種することの妥当性に大きくかかわる点について、正面から議論したことはありませんでした。

 私は、こうした問題を、「データをもとに科学的に議論」してみたいと思いました。そしてそのために、今度の論争の当事者や厚生労働省の担当者その他の関係者にいらしてもらい、「具体的に」データをもとに説明してもらい、それをもとに、「どのようなデータが欠けていて、今後必要とされる」かという点も含めて議論したいと思いました。

 前置きが長くなりましたが、私は会長として、来年の正式な第23回の前に、それもできるだけ早い時期に、この議論のために臨時のシンポジウムを開きたいと思います。公開で行い、報道の方の参加も受け付けたいと思っています。

 できるだけ公平な議論の運営をするために、インフルエンザとは分野が少々離れてはいるもののウイルス、ワクチン、疫学の分野で広い知識とセンスそして良識を持った人をモデレーターとして司会進行をお願いします。

 すでに菅谷先生と庵原先生には参加の内諾を得ており、厚生労働省の担当者については、打診しているところです。

 なおモデレーターが所有する双方向インターアクティブ無線機を用いて皆さまにこの問題に関するさまざまなことについて質問し、その回答をリアルタイムで示し皆さんがその時点でどのように考えているかを見る試みも予定しております。(なお、ご注意申し上げますが、これは対立を煽るとか、多数決という意味ではなく、あくまで私たちが現状をどのように捉えているか、多様性を見る試みです。)


スポンサーサイト
[ 2008/08/07 00:00 ] 講演・セミナー | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://newinfluenza.blog62.fc2.com/tb.php/186-8620a517










上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。