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新型インフルエンザで重症者や死者が多い理由を図解する
番外編 新型フル患者分布地図 国立感染症研究







1918年の新型インフルエンザウイルス罹患患者の収容の様子…こんなことにはならないのでご安心ください

厚生労働省:新型インフルエンザ対策関連情報
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html

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発熱外来とトリアージ(2) 

triage.gif 新型インフルエンザパンデミックの時は、発熱外来で患者のトリアージを行います。この「トリアージ」という言葉をもう一度確認しましょう。

 トリアージとは、定義が色々ありますが、大規模災害時に医療が必要な負傷者の需要が、医療の供給を上回り、患者の治療に優先順位をつけなければならない状態を指します。具体的には阪神大震災やJR西日本福知山線の列車転覆事故が当てはまり、この2つでは実際にトリアージが行われました。

 トリアージが必要になる非常時とそうでない平常時の治療の違いを一般国民も知っておきましょう。平常時ではあらゆる患者に持てる医療資源を用いて最良の医療を施します。全ての患者の治療に全力を尽くします。

 一方でトリアージが必要な非常時では患者を集団で見ます。全員を公平に治療する事が物理的に不可能なので、使える医療資源を計算して、集団としてみた治療効率を追求する事になります。患者一人の治療を重視するのではなく、患者の集団の中で何人に有効な治療を施せるかを重視する事になります。現段階の平和時に考えると「そんな不平等は許せない」などという意見が必ず出てきますが、そうするしかない非常時なのです。

 例えば、新型インフルエンザパンデミック時の治療を具体的に書くと、9人の呼吸不全患者と1人の瀕死の超重傷呼吸不全患者がいたとき、1人の超重傷呼吸不全患者にすべての医療資源を注いで残りの9人の呼吸不全患者を助けられないような事を避け、1人の超重傷呼吸不全患者だけを入院治療で人口呼吸管理を含めた手厚い治療を行い、残りの9人はタミフルを処方し、自宅で療養していただく(平常時なら、これらの患者も入院治療すべきだが、その医療資源的余裕がない)事で全体の感染拡大、生存率を上げることのほうが優先される治療です。このような状況は平常時の治療のモラルと全く異なるため、医療従事者でも苦渋の選択の治療ではありますし、ある程度訓練されていないとなかなか出来ることではないでしょう。

 この状況について、国民の間で社会的合意が自然になされることを期待します。テレビで内閣総理大臣が緊急事態を宣言し、不要不急の外出を控えるように繰り返し放送し、病院も医師看護師が軒並み倒れたりして、満足な治療ができない映像がテレビで放送されても、自分の家族が高熱、咳、下痢などでひどく苦しんでいれば、病院に行って治療してもらわなくてはと思うのが当然の心情でしょう。しかし、自分より重症な患者が沢山いるということを悟れば、最適な治療は望むことはできず、かなりの呼吸不全があってもインフルエンザウイルス の増幅を抑制するタミフル処方のみで帰宅させられることを覚悟するしかありません。

優先度

識別色

分類

傷病等の状態

第一順位

赤 色

救護処置、
搬送最優先順位群
(重 症 群)

入院治療が必要な危険が迫っていて、速やかに感染症指定医療機関等で治療を開始すれば救命可能な人

第二順位

黄 色

優先順位2番目群
(中等症群)

入院治療が必要なほど生命に影響はないが、タミフルなどの抗インフルエンザ薬の投与が必要な人

第三順位

緑 色

軽処置群
(軽 症 群)

新型インフルエンザの疑いはなく、近所の医院での治療で間に合う人

第四順位

黒 色

不搬送、不処置群
(死 亡 群)

既に生命反応がなくなりかかっている人、または既に死亡している人


 ここで、医師側から「トリアージの判断基準は何か?」「トリアージの結果について、法的責任はどのように整理すべきか?」という意見がでてきます。
 具体的には、「患者を診察して、緑(新型インフルエンザの疑いなし)と判断した患者が、その後新型インフルエンザを発症した」ケースで、患者側から、
「発熱外来で疑いなしと診断されたから安心して会社に出勤したら、2日後に発症して会社でも多くの職員に感染させてしまったようだ。診察した医師を訴えてやる!」という場合です。

 新型インフルエンザトリアージについては、判断の正当性の証明をさせてはならない性質のものでしょう。緊急的な診療に完璧を期すのは不可能であり、たとえ判断を誤ったとしても、民事刑事の法的責任を問われることはないと保障しなければなりません。責任を問われるおそれがあるのでは、トリアージの任に就こうという人はいなくなってしまうからです。しかし、現行法下では、この民事刑事の法的責任を問われる可能性をまったく否定できません。ですので、立法府である国会はトリアージの結果の非公開及び無問責を法により明記すべきだと考えます。

 トリアージを医師が行なった場合、それが診療だとみなされれば、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければなりません。カルテに記載されていないし記載する義務も怠ったという理屈で民事で争われたら負けてしまいます。

 現行法下では医師が逃げ出すしかない状況、それがパンデミックという状況です。解決するには事前にその状況を想定した法律を作るしかありません。違うでしょうか?
新小児科医のつぶやきというブログの記事を参考にさせていただきました。)
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[ 2008/03/22 00:00 ] 発熱外来 | TB(0) | CM(0)

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